1. 水の浄化能力はここまで来た!~海水がミネラルウォーターに!?~

水の浄化能力はここまで来た!~海水がミネラルウォーターに!?~

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水の浄化能力はここまで来た!~海水がミネラルウォーターに!?~

「海水からr淡水を安く手に入れることが出来るようになれば、それは人類に永く豊かさをもたらすことになり、他のいかなる科学の業績もその前には小さなものにしか見えなくなる」

かつてアメリカのケネディ大統領が述べた言葉です。日本は世界的に見ても水の豊富な国で、じゃ口をひねれば水が出ます。

しかし多くの国では水道水でも飲むのは厳しく、水道が通っていない地域もあります。

現在の技術はケネディ大統領の願いをかなえるほどの技術に到達しているのです。

人間が使える水は地球全体の何%?

ボトルの水

そもそも人間が使う水は地球全体の何%になるのでしょうか?

実は全体の0.01%しか使っていません。では残りは何なのかと言うと97.5%は海水、残り2.5%は淡水でしかもほとんど氷です。世界的に水不足の危険が叫ばれる中、実は人間は地球のわずかな水を使って生活しているのです。

しかも水不足の原因は温暖化などの気候変動以外にも農業や牧畜などの大規模な食料生産や工業生産で消費されているためとも言われています。

特に水不足が深刻なのは中東などの砂漠地域や中央アジア、アメリカにインド、中国黄河流域などが水不足に悩まされています。

これは地域の経済発展なども影響しているようです。また大きな川があっても乾期などの季節的な影響で取水できない地域は軒並み水不足に陥っています。

このような状況もあってケネディ大統領は海水の淡水化技術を求めたのでしょう。

日本の海水淡水化技術は世界でトップクラス!

紅茶

海水の淡水化の原理そのものは小学生の頃に習った方法でもできます。

塩水を熱してその水蒸気を集めれば淡水の完成です。かつては古代ギリシャの哲学者アリストテレスも試みた方法ですが、この方法だと効率が悪く精油所や火力発電所に併設する形で作られることになります。

そのため主に中東や日本国内の原子力、火力発電所に使われています。

しかしその熱というコストを解決するために開発されたのが逆浸透による海水淡水化です。

逆浸透とは?

簡単に言いますと海水をろ過する方法です。ただし海水に含まれる塩分などのミネラル成分は非常に小さい為ろ過には水しか通さない薄い半透膜と呼ばれるものを使います。純水と海水を半透膜で仕切ります。

この時純水浸透膜を通って海水の方に流れていこうとしますこれが浸透圧です。

この浸透現象は互いの溶液の濃度が均等になるまで続きます。この際に海水の方に圧力をかけると塩分などのミネラルを除いた水だけが純水の方に流れます、これが逆浸透と言う原理です。

海水の淡水化にはこの方法が使われます。日本はこの逆浸透に必要な半透膜の技術が世界の中でもリードしており、東レの作る逆浸透膜は脱塩率が99.75%というほとんど純粋にすることが出来ます。

この技術は飲料水や浄水処理、下水処理などにも活用されています。東レの他にも日東工業や東洋紡といった会社が同様の技術を持っており、この三社で世界の50%のシェアを持っています。

世界中で日本の淡水化技術が

この技術は1748年には発見されていたのですが、現在のように使えるものではありませんでした。

その後1950年にアメリカで将来の水不足のために研究を開始、日本も1970年に日本でも先ほどの三社が研究を開始、財団法人が中心になって研究を進めた結果、技術的にも世界の主導権を握るようになりました。

現在サウジアラビアなどの中東地域で日本の企業が蒸留方式と逆浸透方式の二つを利用した発電所併設の海水淡水化施設を作っています。

特に逆浸透膜方式はエネルギー消費の点で優れている為コスト削減のために使われ始めています。

このような発電所などを伴わない逆浸透膜方式を使った海水淡水化装置も水に困る地域で使われています。ちなみにこういった技術は長い航海をする船や長期の任務を行う原子力空母や原子力潜水艦などの軍艦でも使われているのです。

淡水化した海水はおいしくない!?海水をミネラルウォーターにする方法

ただし、海水の淡水化には難点があります。蒸留した水を飲んだことのある人はわかるかと思いますが、純水はあまりおいしくはありません。

水の味はミネラルなどの成分があることで味が出るのですが海水だと塩分が多すぎて飲めず、淡水化した水はミネラルなどの成分が通常の淡水とは違う組成になるのでおいしく感じないのです。

そこで淡水化した海水を飲めるようにするにはミネラル分の添加が行われます。

最終的に処理された淡水は通常のミネラルウォーターと変わらないような水となって水の少ない地域で飲まれているのです。

日本の海水淡水化技術は世界でも活躍しています。中東地域の他にツバルやマーシャル諸島、キリバスにモーリタニアと言ったアフリカや太平洋の島々でこの技術を使った飲料水が飲まれています。

海外以外でも日本国内で水不足になりやすい福岡市で使われているようです。

将来、いつになるかわかりませんが、世界中で水不足になってもこの技術があれば海水をミネラルウォーターやウォーターサーバーで飲むことが出来るようになるのです。

その時こそ、ケネディ大統領が言ったような世の中が来るのかもしれません。