1. 地震と湧き水の関係~地下ではいったい何が?~

地震と湧き水の関係~地下ではいったい何が?~

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地震と湧き水の関係~地下ではいったい何が?~

水道水

日本は国土の面積に対して圧倒的に森林が多く、豊富な水を貯えることのできる環境が備わっています。

その水は地下水となって我々の生活に欠かせないものになっています。

それと切っても切り離せない関係にあるのが日本のもう一つの特徴、地震です。

地震が多い国、日本

ガラスコップ

日本は世界的に見ても地震の多い国です。

北アメリカ、ユーラシア、太平洋、フィリピン海という四つのプレートがありこのプレートが生み出すパワーによって日本はいくつもの地震が起きる国になっているのです。

年ではこの太平洋プレートが北米プレートに影響して起きた大地震、東日本大震災が記憶に新しいでしょう。

この他にもこのプレートが生み出した断層によって二回という大きな地震を引き起こした熊本地震や都市部で大きな被害を出した阪神・淡路大震災などがあります。

地震と水には関係がある?

実はこの日本ではおなじみと言える地震と水には関係があります。その例をご紹介します。

阪神・淡路大震災

阪神・淡路大震災は断層が大きくずれたことによる地震で兵庫県をはじめとした地域で高速道路や家屋の崩壊、未明に起きた火災などで大きな被害が出ました。

その被災地の一つ、淡路島はたくさんの井戸や湧き水のある場所でしたが、地震の直後に井戸の水が空になるといった現象が発生したのです。

逆に異常に水が増え、水を含んだ砂が噴き出す液状化現象が多発し、土地の冠水などの被害が出ていました。断層付近の湧き水では水質が変わるという変化もあったようです。

東日本大震災

記憶に新しい東日本大震災は太平洋プレートの影響で地震が発生、地震の被害よりもその地震によって起きた津波によって大きな被害を出し、その後は原発が大きな問題となりました。

この地震でも地下水には広範囲で影響が出ています。特に千葉県などの北関東付近では液状化現象の被害が多かったようです。被害のあった東北地域の井戸にも影響を与えたようで、多くは沿岸部の津波被害で塩水化したものや地滑りで上部構造物が崩壊したという場所もあります。

場所によっては水源井戸が地震の地盤沈下で70cm近く沈下したことで水が塩水化した場所もあります。

内陸部でも一か月後に起きた福島県直下地震の影響で沿岸部から離れた個人宅用の井戸の水が枯れるといった被害が出ました。特に断層付近にある地域での被害があったようです。

熊本地震

熊本地震は熊本の中を走る日奈久・布田川断層という二つの断層がずれたことで発生しました。

前震、本震共に震度7という大きな揺れが立て続けに起こったことで観光名所である熊本城や阿蘇の土砂崩れや橋の崩落など、大きな被害が出ました。熊本は県内の水道の80%を地下水でまかなう地下水の豊富な県で有名ですが、この地震の影響で地下水にも大きな影響が出ました。

阿蘇市の温泉宿では温泉が出なくなり休業に追い込まれる温泉宿が出て、熊本市内のきれいな水と庭で有名な水前寺公園では一時期池の大部分が干上がるといった被害も出ました。

そして阿蘇の玄関口だった南阿蘇村では「平成の名水百選」にも入った白川水源をはじめとした水源の中の一つ、塩井社水源の水が完全に枯渇する事態が起きました。

地元では汲んで飲み水に使う他、農業用水にも使っていたので一部の農家の方は田植えが出来ない状況にもなりました。ここは現在も枯渇したままです。

地下で何が?

この様に地震が起きた直後に湧き水や井戸に関わる地下水に大きな影響が出ることがわかっています。

地下水は溝を貯める帯水層の下に水を通しにくい硬い岩盤や粘土層によって流れるのですが、地震によって地下水の流れる層がずれたことで水の流れが変わったり水を保持するのに必要な粘土層や硬い岩盤に亀裂が入ったりして地下水が漏れ出し、湧き水や井戸が枯渇したと考えられます。

水が枯渇しなくても濁ってしまったりして飲めなくなることも。水が止まったり濁ったりする以外にもこれまで水が枯渇していた池や止まっていた温泉から急に水が湧きだした、と言う例もあります。

関東圏も他人ごとではない!?

熊本地震の際、熊本市はほとんどろ過することなく飲める地下水を井戸でくみ上げて利用していたので大掛かりなろ過施設が必要ないという環境でしたが、今回の地震で井戸の破損や水道管の錆びのせいで濁りなどが発生し問題になったようです。

東日本大震災でも井戸を使った水道施設の塩水化で水が飲めなくなるという被害が出ました。

実は関東圏でも地下水を水道に使っている所は多く、東京都は杉並区や武蔵野市。神奈川県は川崎市などが地下水を利用しています。

つまり関東直下の地震が発生した際には同様のケースが考えられるのです。

この様に地下水や湧き水は地震の影響を受けてしまう可能性があります。このような事態になっても大丈夫なように飲料水の備蓄は進めておいた方がいいでしょう。

南阿蘇村などでは一部の水源は枯れましたが、そのほかの水源が無事だったので比較的飲料水の問題はありませんでした。

しかし熊本市内では日ごろから飲料水を購入する習慣がない為水の備蓄がない地域が多かったようです。

関東圏など飲料水を地下水でまかなう地域は水道が動いても先ほど言ったような濁りなどの問題が発生することも考慮してミネラルウォーターやウォーターサーバーなどで対策をしておく方がいいかもしれません。