1. ウォーターサーバーの発祥地はどこ?その歴史と普及について

ウォーターサーバーの発祥地はどこ?その歴史と普及について

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ウォーターサーバーの発祥地はどこ?その歴史と普及について

オフィスやクリニックの他、今では一般家庭での利用率も高いウォーターサーバーですが、その歴史は古く、一説によると100年以上にも上るといわれます。

その発祥はアメリカで、日本とは異なる国土の条件により、そのビジネスが始まりました。

クリーンで安心、さらにおいしい水として今も私たちの身近にあるウォーターサーバー。その歴史をひもといてみましょう。

ウォーターサーバーの発祥地・アメリカの水事情

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水はあらゆる生命体にとってなくてはならないエネルギー源。70%は水でできているといわれる私たち人間も、毎日必要な水分を摂取しなければ、健全な活動はおろか、生命を維持することすら困難です。

人類に等しく欠かせない水ですが、国によって水源地の状態、水の供給量やそれを必要とする状況、さらにはニーズも価値観もさまざまです。

ウォーターサーバーも、ある国が抱える深刻な水事情によって生まれたという側面があります。

その国とは、アメリカです。みなさんご存じのように、アメリカは雄大な国土を持つ国です。地域によって、緑の地帯もあれば、砂漠が続く荒野もあります。とくに南西部の大部分は砂漠に覆われた乾燥地帯で、年中厳しい気候が続き、村や町の人々は慢性的な水不足に悩まされてきた歴史を持ちます。

そんな過酷な環境で生きていく人たちにとって、安定的に飲める水を確保することは切実な願いでした。

そのようなアメリカ人の強いニーズを背景に生まれたのが“水を運ぶビジネス”です。水源地から業者が水を荷馬車や車を使って運び、村人たちに配るというビジネスモデルがいつしか確立したといわれます。

今みたいにきれいで美味しい水を飲むためでなく、純粋に“生きるための水”を確保したい人々の願いから、ウォーターサーバーの歴史は始まったといるでしょう。

1930年代に流行

水を運ぶビジネスが始まったとはいえ、今のように水道設備も発達していない状況では、運搬にも手間と時間がかかり、労力も必要とします。

そのため、当初はお酒やワインより高い価格で取引されたといわれます。

1930年代に入ると、水を運搬するサービスの環境が徐々に整っていき、水宅配ビジネスは広く庶民の間に浸透し始めます。同様のサービス業者が増えるにつれ競争も激しくなり、水に求めるニーズや価値観も多様化していきます。

単に生きるための水ではなく、「クリーンで安心して飲める美味しい水」を人々は求めるようになりました。現代のアメリカではオフィスや病院に限らず、家庭でもウォーターサーバーの利用がスタンダードとなっています。

日本には1980年代に登場

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アメリカと違い、山岳地を多く抱える日本の国土条件は、水にそれほど不便することなく、昔からそこに住む人たちを豊かに潤してきました。

すでに江戸時代では、完成した玉川上水により、上下水道が整備され、多くの家に水が安定的に供給できるシステムが生まれていたのです。江戸の人口は100万人と当時世界最大規模の都市、たくさんの町民や農民、武士たちが水の恩恵にあずかれる環境でした。

しかし、日本でも常に安定的においしい水が供給されてきたわけではありません。明治時代、日本は国家の政策として近代的な工業化を推し進めてきました。

それに伴い、河川の水質も悪化し、コレラなどの発生源となり、多くの人命が失われました。

さらに昭和30~40年代にかけて、高度経済成長を迎え生活が豊かになる代償として、工業排水が河川や湖沼の水を汚し、水俣病やイタイイタイ病などの深刻な公害を生み出したことは当時を生きた人にとって記憶に新しいところでしょう。

日本人の水に対する安全神話は崩れ、環境意識の高まりとともに、家庭ではミネラルウォーターの飲用や、浄水器の利用が目立つようになってきます。

日本においてもさまざまな経験や失敗を学んだことで、安全でクリーンな水に対するニーズが高まり、1980年代に入ってウォーターサーバーのサービスが始まりました。

水道水や井戸水、あるいはスーパーなどで安く仕入れる水より、「きれいな水を家庭にも届けてくれる」アメリカ方式の水ビジネスが定着していくのです。

震災後、よりニーズが高まる

水に対する意識やニーズの変化はあったものの、日本においてウォーターサーバーが本格的に普及するようになったのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災以降といわれます。

。いつ大きな地震が起きるとも分からない中、備えに対する意識が高まり、水の備蓄にも使えるウォーターサーバーの需要が一気に高まりました。

またそれと同時に、原発事故による放射能汚染被害もあり、それまで健康や環境に関心のなかった層にまで、“より安心安全な水”を求める機運が生まれてきたといえます。

日本は地震などの災害の多い国ですので、いつそのような天災に見舞われるか分かりません。スクマネージメントの観点からも、今後さらにウォーターサーバーのニーズは伸びていくことが予想されます。